七夕と五節句

この週末は、店先などで願い事が書かれた短冊をたくさんぶら下げた笹をよく見ました。

お天気もまさに梅雨の中休みというか、休みすぎというか、

外に出ていると、もう梅雨は明けたのかなと思うほどの晴天で暑かったですね。

皆さんはどんな願い事を書かれたのでしょうか。

統轄本部責任者のMSです。

 

「五節句」という言葉を知っていますか。

七夕も別名「笹の節句」と言い、この五節句のうちの1つだそうです。

 

確かに、「◯◯の節句」という言葉は1年で何回か耳にする気がします。

では5つ全部言える方はどのくらいでしょうか。

という事で今回は年中行事である「節句」について調べてみました。

 

節句の「節」という漢字は「季節」の「節」でもあるように、

季節の節目に五穀豊穣、無病息災、子孫繁栄などを祈り、

神様へお供え物をしたり、邪気を祓う行事を行ったりすることを言い、

中国から伝わったものとのこと。

 

1月7日(人日の節句)

3月3日(上巳の節句)

5月5日(端午の節句)

7月7日(七夕の節句)

9月9日(重陽の節句)

 

まず、なんとなくルールが見えますね。

①奇数月であること

②同じ数字が並んでいること

 

昔から中国では奇数は縁起が良いとされているそうで、

ご祝儀などで奇数の額を包むのが良いとされるのも、ここから来ているそうです。

 

一方で、同じ数字が重なることは特別であると同時に、

悪い方にも転じ易いと忌み嫌われていたこともあり、

これがお祓いやお供えをするという流れになったようです。

 

ちなみに1月だけ7日になっているのは、

1月1日の元日は別格扱いなのと、

中国では昔から1月7日に人について占う風習があり、

邪気を祓う為に七草の入ったお粥を食べて、一年の無病息災を祈ったことから、

1月の節句は7日になっているようです。

七草粥を食べる風習は今の日本にもちゃんと残っていますね。

 

その他の五節句も、親しみがあるものが幾つかあると思います。

例えば3月3日の上巳の節句は別名桃の節句と言って、おひなさまの日。

5月5日の端午の節句はこどもの日ですね。

これに今回の七夕をプラスした計4節句は現在も幅広く日本に浸透していると思います。

 

では五節句最後である9月9日の重陽の節句。

一体どれだけの人が「ああ、それな」と親しんでいるでしょうか。

 

そんなちょっと可哀想な9月9日の重陽の節句は

別名菊の節句とも言われ、菊を用いて不老長寿を願う節句です。

昔菊は薬用に栽培されていて、

それが咲く季節がちょうど旧暦の9月だったことから、

菊を鑑賞し、菊酒を飲み、詩を詠んで不老長寿を願ったそうです。

 

また日本ではちょうど栗の季節であることから、

栗を使った節句料理を食べる事も多く、

このため栗の節句と呼ばれることもあるようです。

 

重陽の節句だから!とか別に意識しなくとも、

栗ご飯を食べて季節を感じる事自体はあると思います。

 

季節を感じるというのは、日本ではごく普通のことですが、

4つの季節がほぼ均等な長さで存在する国は実はそう多くありません。

だからこそ日本人は自然を感じ、表現するセンサーが繊細で、

自然に由来する言葉や料理、行事も多いのではないかと思います。

 

今年の五節句も残すところ9月9日のみとなりました。

どちらかといえばマイナーなこの重陽の節句。

今年は栗ご飯を食べ、自然の恵に感謝し、

その力をいただいて無病息災を祈りたいと思います。